これまでとこれから

いきなり癌のステージⅣと宣告された私の毎日

ドクターと私③

前回からの続き。

 

意識障害が出て、特別室でみんなにチヤホヤされて、楽しい入院生活を送っていましたが、毎朝面倒くさいことが…。

「おはようございます。今日は何月何日ですか~?」

「おはようございます。ここがどこか分かりますか~?」

分かるやろ、普通…と思うのですが、日付のほうは入院中はカレンダーも無いし、そもそもウヤムヤだったんですけど(笑)毎日聞かれるのに、今日が「いつ」だか分かりませんでした。なんか自分でもちょっとコワかった…。

一方で「どこ」の方はしっかりしていて、毎回よく出来ました~という感じで、聞きに来るドクターも満足そうな笑顔でした♪

 

やがて特別室から相部屋に戻りました。今度は明るい窓側のベッドで、お外の景色も良く見えてご機嫌です。相変わらずすることは無いのですが、外を見ているだけでも楽しかったです。

この頃から味覚異常が出始め、病院食が食べられなくなりました。ホント、ご飯と梅干一個だけで終わり…という日も多かったです。

一応出された物は一通り味見をしてみるのですが、気持ち悪くなって食べられないものが多かったです。とくに甘味に対して異常が見られ、野菜やお肉などは甘味しか感じられない…という感じで気持ち悪くなりました。あと出汁などの旨味成分も、苦手になりました…。今でも味覚異常は続いています。

 

ちょうど入院していた頃は、研修医とかナースの実習とかで若くて初々しい人たちがうろついていました。(言い方!

学生ナースは検温とか、血圧計測とか無難なことしかしないので、可愛いな~って感じだったのですが…。

大学病院なので医学部学生の実習に付き合わされるのは仕方が無いと思いますが…。

 

1人目は、たかが採血のために何回針を刺しますか~?ソコ間違ってるのでとっても痛いです~っの繰り返し…。

本人はどんどん焦っていくのがコチラにも伝わるし、気まずい空気に耐えられなくなったのか

「〇〇先生を呼んできます!(多分、自身の指導医で私の知らないドクター)」と言い残すと、病室から飛び出して行ってしまいました…。

茫然と取り残された私に、ちょうど通りかかったナースが、

「あれ?採血は?」

「なんか~先生を呼んでくるって、出て行かれましたけど?」

「え?まだ終わってないの⁉」

と、ビックリするような「事件」でした(笑)

結局〇〇先生は、自分の教え子には無理だと判断したのか、ナースに後を頼んで去って行かれたのでした…。彼はあとで○○先生に叱られたのかなあ?

 

もう一人の印象的な研修医さんは、朝から妙に明るい笑顔で

「どうですか~?よく寝られましたか~?体調はどうですか~?」

と登場!

「イイ感じですよ~。今日の日付も~(実は直前にスマホで確認しておいた)(笑)」

と、私が適当に応じると

意識障害ってありますけど…、ボクとはちゃんとコミュニケーション取れてますよね~」

「……」

いやアナタとは初対面で、私は礼儀として応じているだけで…、あの、その…。

(馴れ馴れしいんじゃ!)

ちょっとだけイラっとしてしまった私は、

「ココがどこか分かりますよね」

と言われて

左京区。道を渡ったら上京区

と、逆に相手を混乱させてやりましたぜ~(笑)

この話をすると、みんな「(研修医の方が)可哀想~」と言いますが~(笑)

 

こんな風に、いろんなドクターやナース、さまざまな医療スタッフに助けられ、初めての入院生活は、延長+延長を繰り返し、3日間だったはずが、2/6~2/27まで続きました。

 

 

《めでたし、めでたし》

…かな?